―装備や武器をカスタマイズして戦うメカアクションゲーム
2部構成のスペシャル版でお届けしている株式会社マーベラスのインタビュー後編は、2019年9月発売のNintendo Switch向けソフト『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』の開発秘話となります。引き続き、制作陣であるディレクターの淡田賢さん、アートディレクターの軽部健さん、リードプログラマーの河野雄太さんにお話を伺いました。
――簡単にデモンエクスマキナの紹介をお願いいたします。
淡田:デモンエクスマキナの世界では、ある日突然、月が落下したことで生まれたエネルギー“フェムト”を巡った戦いが起き、人類滅亡の危機を迎えます。その中で主人公が一人の傭兵となり、他のキャラクターたちと仲間になったり敵になったりしながら、暴走したイモータル(AI)と戦って生き抜いていくメカアクションゲームです。
――みなさんが思う、デモンエクスマキナの魅力は何ですか?
淡田:傭兵たちは、アーセナルという人型の外部装甲を着けているのですが、敵を倒すことで装備を集め、メカのパーツや武器を自分好みにカスタマイズできるのがこのゲームの魅力です。
河野:更に、自分のメカを眺められるシーンもあって、マルチプレイにすると他のプレイヤーの機体や武器を見たり、逆に自分がカスタマイズしたものを見せたりすることもできるんです。ネットワークに繋がない限りは、自分の機体周りに空きがあるんですが、オンラインだとそこが埋まるので変化があって面白いと思います。プレイヤーが楽しめるツールを後からどんどん付け加えました。
―メカモノの楽しさを多くの人に伝えたい
――マニアックなメカアクションゲームを、敢えてNintendo Switch向けに開発した理由は何でしょうか?
淡田:いわゆる“メカモノ”のゲームは、一定数のコアなファンがいます。でも今回は、そのジャンルに触れてこなかった人に対して、メカモノの面白さを伝えたいという気持ちがありました。更に、今までのメカモノは黙々と、自分のメカに乗って一人で戦うようなゲームが多かったのですが、「みんなで持ち寄って遊べるゲーム」を作りたいという感覚があったんですよね。家に帰ればインターネットに繋いで世界中の人と遊べる。そんなイメージがNintendo Switchに合致したという感じです。
――デザインをコミック調にした理由は何でしょうか。
軽部:今回使用したUnreal Engine4(UE4)は、フォトリアルが得意なエンジンなんですが、そちらに寄せてしまうと既存のタイトルと競合してしまって、見た目で損をする恐れがあったんです。そのため、いっそアニメチックにしたら差別化できるし、個性も出るのではないかと考えました。その方が日本人としても作りやすいし、デザインも浮かびやすいので、早い段階でコミックやアニメ調にする方針は固まっていたと思います。
―UE4導入がもたらした効能
――今回、初めてのUE4をコンシューマで使うきっかけは何だったのでしょうか?
淡田:自社エンジンを使うか、UE4を使うかは、正直悩みどころでした。UE4が広く使われ始めていることも知っていましたし、みんなどこかで使ってみたいなという気持ちはあったと思うんですよね。相談し合った結果、「今後も踏まえて導入しようか」とUE4導入が決定しました。
河野:私のところに話が来た時には、ほぼUE4を使用する方針が決まっていたのですが、「うちも採用するんだ、使わせてもらえるんだ」と思いましたね(笑)他社のタイトルでもUE4を使ったと言う噂は聞いていたので、私自身もいつかは…と思っていました。
――実際にUE4を使ってみていかがでしたか?
淡田:UE4のおかげで、すぐに画面の中でアーセナルが動き出したんですね。開発が始まって2ヶ月程で、いきなりコントローラーで操作できるようになったので、漠然と「すごいな、進んだな」と。触りながら開発できるので、そこから刺激を受けて、次々にアイデアが湧いてくるような良い流れを作れたし、お客様に対してどんなゲームになるかを早い段階で伝えることができました。
河野:何より、操作していて気持ちが良いんですよね。よくあるメカモノのゲームは、空を飛べないことも多いですし色々と制限があるんです。だから、リソース管理で頭を割かれてしまいがちなんですけど、本作は自由に空も飛べるし、高速移動もできる。それを操作しながら手触り感を調整して、トライアンドエラーもし易かったですね。
軽部:デザインでも、作りながら表示ができるので、見た目も確認できる点でかなり恩恵を受けました。例えば、デカールが欲しいなと思ったら、その場でマテリアルを作って貼れるのも魅力的。過去の開発では、他のDCCツールで地形を作って出力してから、ゲームの画面で構成して…みたいな手間がかかっていたんですよ。でも、今回は背景を用意して上に物をどんどん置いて、いらないものは省くことができた。そういうオブジェクトベースの考え方が、今までになく新鮮でしたね。
―豪華な制作陣と協力し合う刺激ある現場に
――デモンエクスマキナを開発する中で、苦労したことはありましたか?
淡田:なにせ開発環境だけでなく、個人的にはNintendo Switch向けタイトルも初めてだったので、何から始めたらいいのか分からなくて、手探り状態でした。各チームで調べていくうちに、色々なアイデアが上がってきて、ようやくクリアできるようになりましたね。
軽部:ロボットやSFがテーマのタイトルも、会社としてほぼ経験したことがなかったものなので、世界観を作る上ではすごく苦労しました。不慣れな人がデザインしたメカって、それっぽくないというか、素人が描いた感じになりがちなんですよ。「メカってこういうものだよね」っていう明文化されていないルールがあって、それを感じ取れるまでに時間がかかったような気がします。ただ、デザインに河森正治さんが関わってくれたことで、支柱がしっかりと立っていたので、みんなやり易かったと思いますね。
淡田:個人的にも、河森さんや佃健一郎プロデューサー、キャラクターデザインのコザキユースケさんと一緒に仕事ができて良かったです。やっぱり第一線で活躍している方たちと働いていると、刺激を受けるんですよね。たくさん意見を出してくれて、そのアイデアがかなりゲームに活きていると思います。こちらの意図をすぐに理解した上で、更にアイデアを乗せてくれるんですよ。それも自分たちが思いつかなかったアイデアばかりで、本当に勉強になりました。
―メカモノ愛に溢れたユーザーからの反響
――デモンエクスマキナをリリースしてから、ユーザーからはどんな反響がありましたか?
淡田:厳しい意見を言われる覚悟もあったんですが、思ったよりも温かい反応が多くて、すごく励みになりました。ゲーム内に武器を隠していたんですが、それもすぐに見つかってしまって(笑)プレイヤーとやりとりしている感じがこちらとしても楽しかったですね。意図的につけた武器の名前も、調べて意味を理解してくれたり、こちらが仕掛けていることにすぐ気づいてくれるんですよ。
軽部:SNSを見ていると、まだ公式からはグッズを出していないにもかかわらず、デモンエクスマキナのアクセサリーを手作りしてくれる人もいて、本当に嬉しかったですね。
――リリースする前に、体験版の「プロトタイプオーダーズ」も配信されていましたよね。
淡田:あの体験版はすごく良い反響をいただいて、メカモノが本当に好きなんだろうなって感じられる意見をたくさんいただいたんです。自分たちが気づかなかった部分のアイデアもあって、できるだけプレイヤーの意見やアイデアに対応しようという方針がすぐに決まりました。スタッフにも頑張ってもらって、ほぼ対応できたと思っています。とにかくプレイヤーのメカモノ愛を感じました。
軽部:文字の大きさや、見にくさはかなり直しました。プレイヤーからの意見は本当に重要です。最初はビクビクしていたんですけどね(笑)ちゃんと遊んだ上で真剣に意見をくれているので、こっちも真剣にしなきゃいけないとますます気合いが入りました。
―これからは、職種をまたいで活躍できる人が重宝される時代
――今後取り組みたいことはありますか?
河野:今回、UE4をせっかく採用したので、外に向けてUEの使用事例を発信していきたいと思っています。私たちも開発している中で、社外で発信されている情報をいただいて、かなり助かったんですよね。そういう想いがあって、2019年の UNREAL FEST(アンリアルフェス)にも、初めて登壇させていただきました。オープンなエンジンだからこそ、外の人と情報交換して、更に良い作品を生み出せるきっかけを作りたいなと思っています。あと、最近はゲーム配信をしている方が多いので、配信しやすい作品づくりにも挑戦していきたいですね。
淡田:UE4だけではなく、メカモノのゲームも初めてだったので、今回の知見を利用して、またどんどん新しいものを作っていきたいなと思います。プレイヤーがあっと驚くような作品づくりのために、チーム内でも研究を重ねていく予定です。
――デモンエクスマキナの開発を通して、改めてどんな人材が必要だと思いましたか?
河野:UE4のようなオープンなエンジンを使い始めたので、色々な人の技術を集める必要があるなと改めて思いました。特にUE4は情報が多すぎて、追いきれない莫大なエンジンなので、使える技術の選択肢をたくさん持っている方がマーベラスに入ってくれたら良いなと思います。自分が持っている技術や得意なことを、客観的に把握して、伝えてくれる人はプログラマーとしても助かるし、こちらも環境を提示してあげやすいです。
軽部:デザインのチームでは切実に、テクニカルアートができる人が欲しい!と思いました。プログラマー寄りのデザインにまで深く踏み込んだ人が、これからは必要になってくるんじゃないかと感じています。
淡田:私もUE4を使ってみて、“プログラミングだけ”、“デザインだけ”じゃなくて、職種をまたいで様々なことに興味を持っている人が活躍していけるんじゃないかなと思いましたね。私も元々、モーションデザイナーをやっていましたけど、プログラマーから企画に移った人もいますし、企画じゃないけどアイデアを出したいと思う人がいてもいい。特にこれからは、そういう人が重宝される時代になってくると思います。
―Message
――それでは、最後にマーベラスに興味を持っている人に向けてメッセージをお願いいたします。
マーベラスは様々なことにチャレンジできる会社です。必ずしも、上の立場からだけではなく、企画募集の段階からみんなで意見を集めるような場所。そういう意味で、とてもやりがいがあると思います。積極的にゲーム作りに参加できますので、やる気や熱量のある方、「ゲーム作りたい!人を楽しませたい!」という情熱のある方はぜひ応募してください。また、何を作るにしても一手間加えてくれる面白がり屋な人であれば、入社後も活躍できると思います。これからもどんどん、お客様を楽しませることができる作品を生み出していこうと思っているので、新しい技術を教えてくれる様な人をお待ちしています。
株式会社マーベラス
オンラインゲームの企画・開発・制作・販売/家庭用ゲームソフトの企画・開発・制作・販売/アミューズメント筐体の企画・開発・運営/音楽・映像コンテンツの企画・制作・販売/劇場演芸の興行
コンシューマ事業部において、海外ゲーム(および国内外のインディーゲーム)の日本版ライセンスを獲得し、国内向けにパブリッシュする業務です。
ご経験、得意分野により以下の業務をお任せいたします。
・海外ゲームパブリッシャーや開発会社とのライセンス獲得渉外業務
・社内における企画提案→プロジェクト立ち上げ(※チームマネージャーのサポート有)
・プロジェクト制作予算&スケジュール管理業務
・ゲームローカライズ(方針策定、ベンダー選定、制作進行、開発チームとの連絡)
・営業、プロモーション、制作業務、ユーザーサポート等の各チームとの連携
自社のコンシューマタイトルに関連する以下の業務
・開発チームへのテクニカルサポート
・技術的問題点の調査・改善策の提案・開発チームとの調整
・技術上のリスクの検証・報告
・開発効率・精度の向上に向けた施策の提案
開発が円滑に進むよう技術的なサポートや、エンジニア目線でのアドバイスをしていただく業務です。
タイトルを待ち望んでいるユーザに最高のゲームを届けるために、ゲームのクオリティを確保しつつ開発が円滑に進むよう、問題解決に向けた情報収集・調査・提案・リスク分析を開発チームとともに行っていただける、そんなゲーム愛のある方の応募をお待ちしております。
オンラインサービスのインフラ構築・運用全般。
・サービス運営におけるインフラの構築や運用
スマートフォンアプリ、ソーシャルゲーム、ブラウザゲームなどさまざまなコンテンツを展開していますので、ユーザーのトラフィックも急増します。
そこで効率的かつ安定したサービス稼働を実現する役割を担ってもらいます。
・主な業務:Linuxサーバの構築、運用、保守
最近ではMSPやクラウド事業者、プロジェクト間の調整業務なども増えているため、折衝や要件定義など上流工程に携わるケースも増えております。
急成長するサービスですので、業務の垣根なく新しいことにも積極的に挑戦していただきます。
米州と欧州にある子会社の経営支援および事業推進に責任を持つ部門で、海外事業の成長と安定化の実現に向けてサポートをしていくお仕事です。
日系企業を世界でも成長させたい!という熱意をお持ちで、自ら考え動いていける方を探しています。
【業務内容】
・中期事業計画・年度事業計画の立案支援と経営層への報告と調整
・策定済計画の実行段階での進捗管理と課題解決を通じた目標達成の支援
・各事業会社の課題や問題の解決
・本社各部門と海外子会社とのあらゆる業務領域における橋渡しと調整業務
・国内外のパートナー候補の開拓、契約交渉、各種海外案件のプロジェクト支援・進捗管理
・業務の特性上、海外子会社と同じ損益数値目標をもって業務をして頂きます。
経理財務部の担当者として、以下の業務に従事頂きます。
※ご経験やキャリアプランにより、下記 「①税務に関する全般業務」または「②決算・開示に関する全般業務」のいずれかをお任せします。
①税務に関する全般業務
・法人税及び消費税の確定申告書作成(決算書、勘定科目内訳書等の作成含む)
・確定申告書作成のための基礎資料作成、会計帳簿の消費税区分チェック
・従業員等の源泉所得税に関する納付書作成及び納付手続き
・法定調書合計表作成及び報酬、不動産等の支払調書作成
・各種税制(研究開発税制、移転価格税制など)に対応するための補助業務
②決算・開示に関する全般業務
・連結決算業務(DivaSystem利用)及び連結決算手続きのための子会社決算数値(連結パッケージ)の収集
・子会社管理業務全般(国内子会社3社、海外子会社2社)
・「決算短信」及び「有価証券報告書」等の開示資料作成
・監査法人との監査手続き対応
・財務状況等の報告に関する取締役会資料作成
自社のゲーム・アニメ・舞台・音楽コンテンツの各種メディアにおける版権業務を行っていただきます。
下記より職務経験に応じていくつかを担当していただきます。
●音楽配信
ゲーム・アニメ・舞台楽曲の音楽配信窓口業務。
サブスクリプションや都度課金など、各音楽配信プラットフォームに向けた
音楽コンテンツの営業、納品、契約、売上計上、関係各社配分を行っていただきます。
●国内商品化
ゲーム・アニメ・舞台を使用した商品化窓口業務。
キャラクターを使用した商品化、コラボなどの営業、監修、契約、売上計上、関係各社配分を行っていただきます。
●国内映像配信
アニメ・舞台の国内映像配信窓口業務。
舞台コンテンツのライブ配信やアニメの見逃し配信、過去作品のアーカイブ配信など、
映像コンテンツの営業、監修、契約、売上計上、関係各社配分を行っていただきます。
●国内番組販売
アニメ・舞台の国内番組販売窓口業務。
映像コンテンツの営業、監修、契約、売上計上、関係各社配分を行っていただきます。