―かつての同僚と共に、多くのゲーム開発スタジオを創業
今回は株式会社でらゲーで代表取締役を務める家次栄一さんに、会社の企業理念や事業内容、会社のアピールポイントや求める人物像について伺いました。
――家次社長の経歴について教えてください。
家次:以前は広告代理店を経て国内大手ゲーム会社のマーケターとして働いていたのですが、縁あって2003年頃からゲーム開発のスタジオ経営に関わるようになりました。最初は弊社のゲームプロデューサーである岡本吉起さんが立ち上げたゲーム会社の創業に参加。その後、岡本さんとも関係ある世界的に有名な日本人ゲームディレクターのスタジオの立上げにも参画し、5年弱 務めた後、既にでらゲーのゲームプロデューサーとして活躍していた岡本さんから声をかけられ、でらゲーにお世話になることになりました。2016年から代表取締役として務めさせていただいてます。
―企業理念「スマホゲームをもっと面白く!」に込められた強い覚悟
――御社の企業理念を改めて教えてください。
家次:私たちの企業理念は「スマホゲームをもっと面白く!」です。経緯を知らずに理念だけを見ると、当たり前のことだと思うかもしれませんが(笑)、ちゃんと意味があるんですよ。でらゲーが設立された頃って、まだスマホゲームの黎明期で端末自体もロースペックだったし、表現の幅も狭かった。だから当時、アーケードやコンシューマーの市場で活躍してきたクリエイターは「スマホゲームなんて簡単だ」と捉えがちだったんです。
でも当時からでらゲーのゲームプロデュースを手掛けていた岡本が「スマホの市場に過去の成功体験を持ってきても通用しない」「コンシューマーのコピーではユーザーの心を掴めない」と、敢えてスマホゲームしかやらない宣言したんですよ。アーケードゲームでそして、コンシューマゲームで世界一になったヒット作を生み出した岡本さんがそう言ったんです。これは非常に重い言葉だなって思いました。実はそういったスマホの市場にかける岡本をはじめとする、でらゲーの開発者たちの覚悟が、企業理念に込められています。
――事業内容についても、簡単にお聞かせください。
家次:前述でお話した企業理念の通り、現時点ではゲーム開発についてはスマホゲームの開発だけを行っています。ただ、新しくチャレンジすべき市場があれば、この限りではないと思っていますね。今後プラットホームもどんどん出てくるだろうし、その中で我々が参入すべきフィールドだと思えば、挑戦する覚悟はある。従業員の大半はゲーム開発職なので、毎年恒例でゲームアイデアを募集しています。
また、昨年からゲーム開発だけでなく、スマホゲームのパブリッシング事業も行っています。海外の面白いゲームを目利きして買い付け、日本で弊社がパブリッシングしたり、日本でパブリッシングするためのパートナーなって、海外の面白いスマホゲームを日本に紹介していこうという事業です。
―社会貢献の一環として、自社コンテンツを開発
――御社では、どのようなタイトルを開発・運営していますか?
家次:まず、大きなタイトルでいうと『モンスターストライク』。モンストはミクシィ様からパブリッシングされていますが、企画の立ち上げ時から弊社メンバーもスタッフの一員として関わらせていただいています。2つ目が、モブキャストゲームス様がパブリッシングしている有名IPのゲーム化プロジェクトである『キングダム乱』。こちらはゲーム開発については弊社が全責任を持つ形の共同プロジェクトです。さらに、リイカ様と共同開発したクイズRPG『マチガイブレイカー Re:Quest』、KADOKAWA様・プリアップパートナーズ様との共同プロジェクトで『社長、バトルの時間です!』があります。『社長、バトルの時間です!』はメンテナンス中ですが、4月からアニメーションも始まるIPなので、アニメ開始に合わせて配信再開を予定しています。
――御社のパブリッシング作品についても教えてください。
家次:でらゲーには『マナビモ!アソベンジャー!』という遊びながら学習できる自社コンテンツがあるんですが、制作した経緯を少しお話させていただきますね。まず我々には「会社として社会に貢献したい」という想いがあり、実はこれまでにも子ども食堂への寄付や、社会進出が難しい人たちが参加するプログラムへの協力を行なってきました。そんな中で、岡本さんから「社会貢献の一環として、ゲームで面白い教育ができないか」という提案が上がったんですよ。このゲームはひとつのアプリ内に2つのゲームが入っています。片方はマナビモで純粋に学習するためのコンテンツ。もう1つはアソベンジャーで、学習でレベル上げしたキャラで遊ぶ場を設けてます。ゲームを楽しむために勉強をするように設計してあります。ゲーム業界に長年関わっていると誰もがゲーム=社会悪という見方に悩まされたことがあると思うのですが、この企画で是非そのいやな思い出を払しょくしたい、ゲームで社会に貢献したいということで立ち上げたのがマナビモの開発プロジェクトです。ビジネス的にも新しい方向性で臨んでいます。ガチャ課金ではなく定額制にすることで使いすぎることが無いようにしています。現在はオープンベータ版が配信中。正式リリースは秋頃を予定しています。
――新規タイトルを出す際は、社内MTGなど行って案を出しているのでしょうか?
家次:企画募集は毎年恒例で行なっていて、それは原則全員参加(笑)。社員は3人くらいでユニットを組んで、企画を練っています。企画は新しいタイトルでもいいし、配信中のタイトルに付け加える新たな要素でもOK。中には事業展開を提案してくるユニットもありますよ。うちは自由度が高く、日常でも現場から面白い案が生まれれば、「みんなでやっていこう!」という姿勢を持っています。
―ゲーム開発に集中する環境をつくるため、マレーシアに拠点を
――マレーシアにも事業所があるとのことですが、マレーシアを選択した理由を教えてください。
家次:「ゲーム開発に集中する環境を作りたい」という理由からマレーシアに拠点を置きました。簡単に言うと、常に社員がゲーム合宿をしているような環境にしたかったんです。誘惑の多い東京とは違い、周りはマレー語を使う人ばかり。そんな中で、みんな一緒に365日ゲームづくりができるんです。そんな環境を作ってみたらどうなるかという、ある種の壮大な実験ですよね(笑)。また、いままでに東南アジアに設立された日本のスタジオは基本は単純な作業を現地の人件費で安くしようというコストカット目的がほとんどだったと思うのですが、弊社は全く違っていて日本のエースメンバーをマレーシアに送り前述のようなチャレンジをしています。もちろん、ゲームプロデューサーである岡本さんも行ってます。岡本さんがもし日本にいたら、色々なところからアポが来て、社員が会えないくらい多忙だと思うんです。でも、マレーシアなら困っていることもすぐに相談できる。そんな環境はまず存在しないから、自ら行きたいと手を挙げる社員も多いですよ。また向こうの国にも貢献すべく、「ゲーム作りに携わりたい」と思っているマレーシア人も数名採用して、ゲームづくりのコアな部分を教えています。日本人の社員も刺激を受けているところは多いと思いますね。
――御社では、どういった特徴を持つ従業員が多いですか?
家次:やっぱりゲームづくりにこだわりをもつ人が多いですね。スマホアプリの運用には、データから顧客が求めているものを分析し、顧客のニーズに合わせていく顧客分析スキルが必要になってきます。うちの社員は仮説として設定した顧客のニーズやウォンツに合わせていくだけじゃなくて、クリエイターとしてKPIを解釈し、その時々で変化する顧客のニーズやウォンツを常に予測して開発・運用している人が多い。まさにスマホゲームにふさわしい開発だと思います。
―新たなコンテンツを生み出す、こだわりの強い方を求めています
――会社が目指している目標はありますか?
家次:新しく柱となるタイトルを生み出さなければいけないと思っています。また自社コンテンツだけではなく、前述した海外タイトルのパブリッシング事業も昨年始めたばかりですが来期には黒字にできると考えています。来期の早い時期にその第一弾を配信する予定です。
――御社、または社長が求める人物像を教えてください。
家次氏:アイデアを持って、自分でどんどん仕事をすすめていける方はどの分野でも活躍できると思います。私はビジネス側からどんどん成長していくクリエイターを見てきたので、でらゲーという環境下で生まれたら幸せですね。だいたい活躍している人って扱いにくい方なんですけど(笑)でも、それだけこだわりが強い方に入社してほしいと思います。
―Message
でらゲーは子会社も含めて社員100名程のベンチャー企業なので、良くいえば自由度が高く、悪くいえばまだ未熟な会社だと思います。ただ、現在の事業の収益性が非常に高く、良いアイディアさえあればチャレンジしていける経営資源は同規模のゲーム開発会社と比較してもトップクラスであると自負しています。すなわち、アイデアと実力が伴えば、スマホゲームに限らず様々なことに挑戦できる、自由度と経営リソースが揃っている会社だと思うので、ゲーム開発に最適な環境で積極的にチャレンジしたいという方をお待ちしています!
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