『ブレイブ フロンティア』の生みの親として知られる早貸久敏氏の「世界一遊ばれるゲームを創る」という熱き思いにチームが集結し、2016年に設立された株式会社アイディス。主力タイトル『ラストクラウディア』はドット絵キャラが紡ぐ王道ストーリーが魅力の本格RPGとして愛され、全世界DL数は400万人を突破する。同ゲームのプロデューサーであり、ゲーム事業部の統括を務める竹島輝弥さんに会社の今とこれからについて伺った。
ーーこれまでの経歴を教えてください。
竹島:私はサーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタートさせています。モバイルコンテンツ事業を展開する会社に新卒入社した当時はフィーチャーフォン(≒ガラケー)でもゲームを遊ぶユーザーが増えてきている時期で、私は外部の会社にエンジニア目線で開発を発注する役割を担っていました。その後弊社の代表である早貸久敏が立ち上げた会社でゲーム開発に携わっていたのですが、スマートフォンが主流になりゲーム市場が大きく変わる中でキャリアアップを目的に転職を決意しました。そこでアニメやゲームIPを使ったゲーム開発にディレクターやプロジェクトマネージャーとして携わりながら様々な経験やキャリアを積んだ後、早貸がこのアイディスを立ち上げ、もう一度共に働きたいという思いから入社を決意しました。現在はゲーム事業部の統括と、約2年前からプロデューサーとして主力タイトルである『ラストクラウディア』に携わっています。
ーー3.5周年を迎えた『ラストクラウディア』ですが、長く愛される作品の魅力はどこにあると思われますか?
竹島:“こだわりの塊”のような作品なのですが、特にドット絵表現はユーザーの皆様にも愛していただいているポイント。加えて王道のストーリーが展開されるRPGであり、私たちの世代がスーパーファミコンやプレイステーションで夢中になって遊んでいたゲームが最新のデバイスで手軽に遊べるところも魅力ですね。そこに複数のユーザーで遊べるスマホならではの機能が付いている。さらに『ラストクラウディア』の英語版は30カ国以上に配信されていて、日本のみならず世界中の方々に遊んでいただけるところも大きな強みです。
ーー定期的なイベントの開催や機能追加など、スピード感のある運営でユーザーを飽きさせない工夫がなされていると思いました。
竹島:先ほどお話した通り、『ラストクラウディア』はメインストーリーも大きな魅力の一つなので、そこに関してはこだわりをもって定期的に追加するようにしています。また3.5周年を迎えた今、良い意味でも悪い意味でも古くなってきているところがあるので、改修すべきところは改修し、これまでになかった機能を追加するなど今後もユーザーの皆様に長く遊んでいただけるよう工夫していきたいと思っています。
ーー開発環境についてお伺いします。現在は何人体制でどのようなチーム編成がなされているのでしょうか。
竹島:業務委託の方も含めると現在70〜80名くらいのスタッフが『ラストクラウディア』の開発に携わっています。チームに関しては基本的に職種毎に編成されていて、大きく企画・デザイナー・エンジニアと、そのほか進行管理(進捗管理)やQA・CSなどのサポートスタッフに分かれています。ただ席が大きく離れているわけではなく、後ろを向けば別の職種のスタッフが座っているようなフラットな環境でみんな働いています。
ーー職種の垣根がない、風通しの良い環境が整っているんですね。
竹島:そうですね。組織としても大きくなっているのでもちろんゼロではありませんが、あまり垣根を作らないように努めています。代表の早貸も総監督として現場に近いところで仕事をしていますし、社長だからふんぞり返っているということは全くありません。特にこだわっているシナリオやストーリー演出に関しては、早貸も直接指示を出したり監修を務めたりと現役のクリエイターとして存在感を放っています。
ーー竹島さん自身も「もう一度働きたい」と思われた早貸さんのお人柄の魅力だったり、影響されている点はどこにありますか?
竹島:『ブレイブ フロンティア』や『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』など日本だけではなく全世界のお客様に受けいれられるコンテンツを0から生み出してきたという点にも、もちろん尊敬の念を抱いているんですが、何より早貸はものづくりに対していつも真摯に向き合っているんですよね。ものづくりにはコストやスケジュールの面で時として制限がかかるものであり、妥協が必要なこともあります。だけど早貸は自分たちが作ったものがお客様に伝わるかどうかを最重要視していて、必要であれば修正も厭いません。プロデューサーとしてはここまできて覆さないでよ!と思うこともたまにありますが(笑)、そのクリエイターとして妥協しない姿勢や熱意に我々も動かされています。
ーー竹島さんも採用に携わっているとのことですが、面接ではどのような点に注目されているのでしょうか。
竹島:いくつかの採用プロセスがあり、一次面接に関しては職種毎の部門長がこれまでの経歴やスキルの確認などを行っています。私は二次面接を担当しており、そこでは人柄を見て弊社とマッチするかどうかを判断しています。やはり第一にゲームづくりへの熱意があるかどうかは重要かなと思いますね。あとは主体性を持って動けるかどうか。というのも、弊社はベンチャー企業なので、大手の企業様と違ってフローが整っていない部分もたくさんあるんですよ。その中でただ指示通りに業務をこなすのではなく、自分で課題を見つけ、改善に向けて前向きに取り組む姿勢の方であれば、ご活躍いただけると思います。
ーー実際に働いているスタッフの皆さんはどんな方が多いですか?
竹島:ゲーム会社ということもあり、クリエイター気質のメンバーが多いですね。チャレンジ精神が旺盛で、自ら経験やスキルを積んでいける人。会社としても全部が全部OKというわけではないですが、できる限りみんなの挑戦を応援したいと思っています。新たに何かを学びたいということであれば検討しますし、タイミングを見計らって「じゃあこれをやってみましょうか」と提案するケースもありますね。
ーー現在持っているスキルや経験を見直すタイミングもあるのでしょうか。
竹島:部署によって頻度は異なりますが、各部署で1on1という形で上司と部下が日々コミュニケーションを取っていますし、年2回の人事評価もあります。そこで今後どうしていくかについて話し合ったり、上司にチャレンジしてみたいことを相談したりすることも可能です。一つのことを極めるのも職人的でかっこいいんですが、やはり人間なので新しいことや刺激がないと飽きてしまうこともあると思います。組織としても社員のモチベーションを保てるようにしていきたいですし、逆にこれから弊社に応募してくださる方も積極的にやりたいことをお伝えいただければと思います。
ーーゲーム事業を統括している竹島さんからみて、貴社でものづくりに携わる魅力ややりがいはどこにあると思われますか?
竹島:まず我々はオリジナルのゲームを企画から開発、運用までを一貫して自社でまかなっているのが特徴です。作って終わりではありません。0から1を生み出し、その生み出したものを運営・運用のところでいかに100にしていくか。そこまでを一貫して考えていくのが大変なところでもあり、一番やりがいを感じられる点なのではないかと思っています。また、イベントの開催や機能の追加などによりサービスが更新されていくので、その都度ユーザーさんからの反応もダイレクトに返ってくるんですよね。喜びの声をもらった時はやっぱり嬉しいです。
ーーYouTubeでのライブ配信やリアルイベントなどを通じて、ユーザーと積極的に交流されているイメージがあります。
竹島:各ゲーム会社によってスタンスはそれぞれ異なると思うんですが、弊社の持ち味はベンチャーだからこそのユーザーの皆様との距離の近さやスピード感だと思っています。だから日々SNSに投稿される意見や要望には基本的に目を通すようにしていますし、自分自身もプロデューサーとしてTwitterアカウントを運用していますが、ユーザーさんからのコメントに返信することもあります。定量的に実態をつかむこともできなくはないですが、数字だけでは見えてこないこともあると思っているので、そうしたところで定性的な情報も得るようにしています。
ラストクラウディアプロデューサー『たけそん』公式Twitterアカウント
ーー近年はゲーム実況も活発で、よりリアルな反応を得られやすいですよね。
竹島:ゲーム実況などプレイ動画を編集して投稿するって熱量が高くなければできないことじゃないですか。『ラストクラウディア』でもコンテンツ追加の度に動画を投稿してくださるユーザーさんがいらっしゃるのですが、自分たちが作ったゲームにそこまで時間をかけていただけるのは非常にありがたいことですし、日々感謝しなきゃいけないなと思っています。同時にそういう風に自分の時間を費やしてでも発信したいと思ってもらえるようなゲームであり続けるために、私たちも驕らずにやっていきたいです。
ーー『ラストクラウディア』は世界で配信されているため海外のユーザーも多いと思いますが、そのあたりの難しさもありますか?
竹島:もちろんありますね。『ラストクラウディア』に関しては基本的に全世界同時配信・同時運営という形をとっていて、コンテンツを追加する際に日本語版で追加を行った後、同日内に英語版でも追加を行う方針で運営しています。また国によって趣味嗜好が当然異なるので、とあるゲームとのIPコラボで海外での盛り上がりが我々の想像をはるかに超えていたという例もあります。それが面白いところでもありますが、どうすればより全世界の多くのお客様層に受け入れてもらえるのかという視点は重要だと思っています。
ーー全世界同時配信・同時運営にこだわっている理由はあるのでしょうか。
竹島:元々は日本語版と英語版を別々で運営していたんですよ。新たなコンテンツの内容も追加するタイミングもバラバラで、先行する日本語版を追いかけるような形で英語版を運営していたんですが、蓋を開けてみたら我々が思っている以上に海外のユーザーさんは日本語版の方にも注目してくださっていたんです。SNSで「日本語版でこれが追加されたから英語版でもそろそろ……」という感じで議論されていたり。そこまで日本語版を意識してくださっているならということで、同時に運営をする方針に変えました。
ーーちなみに貴社では、日本国籍以外の方もスタッフとして働いていらっしゃるのでしょうか。
竹島:翻訳のスタッフだけじゃなく、エンジニアやデザイナーにも海外国籍の方がいらっしゃいます。職種にもよるんですが、採用に国籍は関係ありません。ただ日々の業務は日本語でやり取りをしているので、言語面でクリアしていればOK。海外の方でもとても活躍しているスタッフはいますし、彼らは海外では〇〇が人気で〇〇が売れているとか、私たちとは違った視点を持っているので、こちらとしてもすごくありがたいですし、とても刺激になっています。
ーー海外展開もですがゲーム内では他のゲームやアニメIPとのコラボイベントも開催していたり、それだけ色んなことにアンテナを張っている必要があるのかなと思います。
竹島:特にコラボはリリースよりもかなり前に動き出しているので、「このタイミングでこれをやったら面白いかな」という感じで予測を立てながら企画を練っていく必要があります。おっしゃる通り、常にアンテナを張り巡らせていなきゃいけないですし、狙い通り、お客様に喜んでいただけた時はやってよかったと思いますね。
ーーそんな中でスタッフの皆さんはどのようにオンオフを切り替えていらっしゃるのでしょうか。会社のホームページに掲載されている社員インタビューの中では「プライベートも充実できる」という声も挙がっていました。
竹島:私自身、意識的にオンとオフを切り替えているわけではないんですが、週2日はしっかり休むようにしています。他のスタッフも同様です。ただし、休日にトラブルや障害が発生したら対応する必要はありますし、どうしても週末に対応すべき業務があれば対応を行いますが、そのようなことがない限り土日と祝日はそれぞれ趣味や家族との時間に充てています。それもあってかご結婚されていたり、お子さんがいらっしゃる方も比較的多い方だと思いますね。
ーープライベートも仕事も両立できるのは大きな魅力ですね。ちなみにスタッフ同士が交流を深められる機会などもあるのでしょうか?
竹島:コロナ禍で我々も飲み会などは自粛していますが、会社として社内イベント自体は設けています。例えばみんながコスプレをして楽しむハロウィンイベントだったり、今年は感染予防の観点から中止になってしまったんですが、夏祭りなど社内イベントを行っています。また月に一度全社メンバーを集め、前月の全社状況を共有するオンライン会議があるのですが、その場では、新しく入社した方に簡単な自己紹介をしていただくなどしています。色々な制限がある状況ではありますが、可能な限りみんなの顔と名前が一致するよう努めています。我々はエンタメを届ける会社ですし、面白いものはみんなが楽しく仕事をしている環境でこそ生まれると思っているので、そのような場を設けるのも大事なことですよね。
ーー今後の事業展開についてお聞かせください。
竹島:まず、『ラストクラウディア』をはじめとした我々が開発しているゲームを全世界のお客様に届けていくという点は継続して参ります。加えて詳細はまだお話しできませんが、ゲーム周辺の関連事業にも取り組んでいく予定ではあります。また現在はモバイルゲームを開発していますが、デバイスやプラットフォームにこだわっているわけではなく、私たちが作ったゲームをより多くのユーザーさんに遊んでもらうことが重要だと思っております。なので、もしもっと多くの方に遊んでいただけるプラットフォームなりデバイスがあれば、そこに対してゲームを提供するというスタンスでいます。
ーー最後にこの記事を見ている方にメッセージをよろしくお願いします。
竹島:私たちは共にゲームを開発し、お客様に届けるという形で一緒に戦ってくれる仲間を募集しています。我々は「世界一遊ばれるゲームを創る」というミッションを掲げているように、これからも日本だけではなく全世界に向けてゲームを提供していく所存です。ぜひSNSなどを通じて世界中のユーザーからリアクションが届く感動を一緒に味わってほしいですし、そこには何にも代えがたい驚きやワクワクがあると思います。愛情をもってゲームづくりに挑める方からのご応募をお待ちしております!
日本市場のみでなく、世界市場を視野に入れたゲーム開発・運営を行っています。
デベロッパーとしての受託開発ではなく、パブリッシャーとしての自社タイトルの開発・運営での制作経験を得ることができます。
業務の効率化や整備が十分にできておらず未整備な部分もあるため、不満ではなくむしろそこにご自身の活躍の好機を見出せる気質の方であれば、やりがいをもって力を発揮していただけます。
【業務内容】
・ワイヤーフレーム、遷移図、レイアウト、ロゴやバナー等のUI/UX制作
・UI制作に付随する2Dデザイン制作(アイコン、装飾等)
・U演出アニメーション制作
・組み込み、実装業務
・その他、Photoshopでの素材の書き出しと調整
・チームメンバーのタスク管理、動機付けとモチベーション維持、成長支援などのマネジメントによる成果の最大化
【使用ツール】
・Unity
・Adobe Photoshop
・Adobe Illustrator
・Figma