Epic GamesにてUnreal Engineのリードエバンジェリストを勤め、12年間勤務したSjoerd De Jong氏が6月に退社を発表した。同氏はその後、Unreal Engineに携わったベテランが集まり開発を進める新ゲームエンジン「Immense Engine」の開発に合流したようだ。
This Week in Videogamesのインタビューで同氏が明かし、
PC Gamerなどが報じている。
Sjoerd De Jong氏はEpic Games在籍期間の前からUnreal Engineに深く関わってきた人物だ。同氏はUnreal Engineが初めて利用された1998年リリースの『Unreal』や続編『Unreal Tournament』のモッダーとして活動。Unreal Engineのレベルデザインコミュニティやチュートリアルサイトの運営にも携わり、Unreal Engineを広めてきた。そして2014年エバンジェリストとしてEpic Gamesに入社し、ヨーロッパを中心に世界各地でUnreal Engine 4/5のサポートを続け、現在に至る。
『Unreal』
そんなDe Jong氏が6月にEpic Gamesの退社を
LinkedInにて報告。発表内では、業界が「pivotal point(転換点)」に差し掛かっており、前に進むべき時が来たと述べるなど、業界の転換を機に新しいチャレンジを匂わせていた(
関連記事)。
そしてThis Week in Videogamesのインタビュー内で現在の活動が明かされた。現在は新ゲームエンジン「Immense Engine」の開発に合流したという。Immense Engineは同じくEpic GamesにてUnreal Engineに携わっていたArjan Brussee氏がオランダのスタートアップ企業と開発を進めているゲームエンジンだ。
EUは、デジタル市場やオンラインプラットフォームに対して厳格な法規制を導入していることで知られる。Immense Engineはそのような規制に準拠したつくりと、ClaudeやChatGPTといった外部のAIエージェントをモジュール形式でエンジンに組み込める設計を採用しており、初期からAIとの連携を意識したつくりとなっていることが特徴である(
関連記事)。
De Jong氏は現在主流となっているUnreal EngineとUnityの代替としてImmense Engineを位置づける狙いがあるようだ。オープンソースのゲームエンジンGodot Engineもシェアを伸ばしつつあるが(
関連記事)、それもまだ最近のことであり、2大ゲームエンジンの市場独占がゲーム開発の“停滞”を招いていると考えているとのこと。
両エンジンは長年の開発で巨大化しており、負の遺産も積み重なっているとし、ゼロから構築されたクリーンでモダンなゲームエンジンを実現しようとしている。両エンジンともAIを利用した機能を直近で発表しているが(
関連記事1、
関連記事2)、Immense Engineは前述の通り、設計思想の段階でAIを取り入れられている“AIネイティブ”なエンジンであるという部分が差別化点となりそうだ。
ちなみに同氏はあくまでもImmense EngineはたまたまAIに親和性のあるゲームエンジンであり、AI専用のエンジンではないとしている。そしてボタンを押すだけでゲームが作れ、そのような作られ方をした500万本のゲームがリリースされることは望んでいないとしている。あくまでも開発者の創造性を手助けするための機能となるようだ。
長年Unreal Engineに携わってきたDe Jong氏の新たな挑戦は同じくUnreal Engineのベテランと組んだ新ゲームエンジンの開発であった。Immense Engineは、現在Unreal EngineとUnityが存在感を示すゲームエンジン市場に風穴を開ける存在となるのか、引き続き注目していきたい。
記事はこちら『AUTOMATON』 国内外を問わず、さまざまなゲームの情報を発信するWEBメディア
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20260728-456977/