※こちらはAUTOMATON様によるインタビュー記事を転載させていただいたものとなります
IO Interactiveは、映画「007」シリーズを題材にした 『
007 First Light』を開発中だ。本作はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年5月27日発売予定となっているほか、Nintendo Switch 2版も2026年夏後半に発売予定となっている。
発売がせまるなか、『007 First Light』がメディア向けに実施されたイベント「Bilibili First Look Games – April 2026」に出展された。イベントに参加する機会に恵まれた弊誌は、本作の開発陣にインタビューを実施することができた。『Hitman』シリーズで知られるIO Interactiveが「007」のゲームを手掛ける理由や本作の魅力について興味深い話を訊いてきたので、本稿で紹介したい。質問にはIO InteractiveのGlobal Brand ManagerであるLaurine Deschamps氏が回答してくださった。
ステルスアクションの名手であるIO Interactiveが『007 First Light』を手がける意義
――本作『007 First Light』はどのような構想のもとに誕生したのでしょうか。
Laurine Deschamps氏(以下、Deschamps氏):
『Hitman』のようにエージェントを題材にしたゲーム制作で25年の実績を持つ私たちは、IO Interactiveの技術とジェームズ・ボンドのIPを融合させることで、ほかに類を見ない作品が生まれると確信していました。映画のようなストーリー体験を特徴とする『007 First Light』は、IO Interactiveの歴史からみてもこれまででもっとも意欲的な作品です。そうした挑戦をするために、自社開発のゲームエンジンである「Glacier」をこれまでのどの作品よりも限界まで進化させる必要がありました。
スタジオ設立当初から、私たちは独自のゲームエンジンであるGlacierを開発してきました。自社開発のエンジンを持つことで、サードパーティに頼ることなく、ゲームのニーズに特化した機能を開発することが可能になります。このエンジンは『007 First Light』の開発と並行して進化を遂げ、『Hitman』シリーズの前作以降も大幅なアップグレードを受けています。
プレイヤーに独自の解釈でジェームズ・ボンドを体験してもらうため、ゲームオリジナルのストーリーを再構築するという明確な構想も最初からありました。ゲームデザインにおいては、プレイヤーの創造性を重視するアプローチを取り入れるようにしています。ガジェット、戦闘、スパイ活動、直感力といったさまざまなツールを提供することで、プレイヤーが思いのままにボンドをプレイできるようにしました。これらの要素すべてが組み合わさることで優れた「007」のゲームとなり、優れたIO Interactiveのゲームとしてユーザーにお届けできるという自信をもつことができました。
――IO Interactiveさんは『Hitman』シリーズで知られていますが、『Hitman』シリーズに通じるIO Interactiveさんの遺伝子や伝統のようなものは『007 First Light』ではどのように受け継がれていますか。
Deschamps氏:
『007 First Light』は、スパイ活動の緊迫感と「007」のフランチャイズでおなじみの大胆なスペクタクルを融合させた、まったく新しいジェームズ・ボンド体験としてゼロから構築されています。本作ではIO Interactiveのオープンエンドのレベルデザインと、映画のようなセットピース主導のストーリーテリングを融合させた「呼吸する」ゲームプレイのループを作り上げました。
本作は目標を達成するため複数の方法が用意されているので、プレイヤーはボンドのプレイスタイルを自分の好みに合わせて調整できるのです。スパイ技術とガジェットを駆使して挑戦するステルスのアプローチはアクション重視の銃撃戦と同じくらい有効で、やりがいがあるゲームプレイとなっています。
――開発者の視点から見て、本作と『Hitman』シリーズとの最大の違いはどのようなものなのでしょうか。
Deschamps氏:
『007 First Light』と『Hitman: World of Assassination』は同じスタジオが開発した作品ですが、ゲームの構造と雰囲気の両面でまったく異なる体験を提供しています。『Hitman』シリーズは、忍耐力、正確さ、そして緻密な計画がカギとなります。プレイヤーが時間をかけて分析し、思いついた戦略を実行することで報われるのです。『007 First Light』と『Hitman』はどちらもスパイの世界を描いていますが、『007 First Light』の世界はよりスピーディーで勢いに満ちています。
ストーリーについていえば、『007 First Light』は『Hitman』よりもストーリー重視のゲームといえるでしょう。綿密に練られたペース配分で、ボンドのオリジンとなるストーリーが力強く展開されていきます。両作品ともプレイヤーの主体性と没入感を重視している点は共通しているものの、『007 First Light』ではまったく新しいボンドの冒険を体験し、さまざまな方法でストーリーを進めていくことができるように設計されているのです。
――開発チームが考える「007」シリーズならではの魅力とはどのようなものでしょうか。そうした魅力を『007 First Light』ではどのように取り入れたのでしょうか。
Deschamps氏:
「007」シリーズは、世界で最も長く愛されているフランチャイズのひとつです。「007」シリーズは長年にわたりその人気を維持し、ポップカルチャーの象徴としての地位を確立してきました。このフランチャイズには、エレガンス、高速カーアクション、ガジェット、世界各地を駆け巡る冒険、受賞歴のある音楽など、世界的に認知されている明確な特徴があります。そうした特徴を『007 First Light』では一切妥協せず、プレイヤーの期待に応えるのにふさわしい「007」の体験を提供できるよう尽力しました。
26歳の若きジェームズ・ボンド
――26歳という若い年齢のジェームズ・ボンドが主人公となる『007 First Light』ですが、どうしてこの年齢のジェームズ・ボンドを描くのでしょうか。
Deschamps氏:
時代を超えてさまざまな形で描かれてきたジェームズ・ボンドのイメージを尊重しつつも、私たちはボンドのオリジンとなるストーリーを創造することで、多くの可能性が生まれると確信しています。スパイとしてのボンドの人生において、これまであまり語られてこなかった側面を探求する機会になりました。本作ならではの新鮮なアプローチで、26歳のジェームズ・ボンドを気に入っていただけることを願っています。
若き日のジェームズ・ボンドを演じる最適な俳優を見つけるために、私たちは数多くのオーディションを行いました。私たちが求めていたのは、外見的な存在感だけでなく、感情の深み、つまりタキシードや伝説に彩られる以前のボンドの姿を信じさせてくれる人物でした。
本作でジェームズ・ボンドを演じるパトリック・ギブソンはキャスティングで最初に会った俳優のひとりでしたが、私たちはすぐに彼に特別な才能があると確信しました。その後、ほかの俳優とも何度かオーディションを行いましたが、結局パトリックに戻ってきたのです。彼は、私たちが伝えたい物語にふさわしい、知性、繊細さ、そして自信のバランスを兼ね備えています。
――「007」シリーズはこれまで数多くの映画作品が制作され、ジェームズ・ボンドというキャラクターは複数の俳優によって演じられてきました。本作のボンドはこれまでのボンド像とどういった共通点があり、どう違いがあるのでしょうか。
Deschamps氏:
ジェームズ・ボンドの外見に関しては、イアン・フレミングの原作小説の描写を忠実に再現しています。つまり色白の肌、青い瞳、黒髪、そして傷跡を忠実に再現しました。しかし、『007 First Light』のジェームズ・ボンドは非常に若いボンドなので、まだ洗練された伝説的なスパイではありません。魅力、知性、勇気といった資質はすべて備えていますが、MI6の訓練はまだ受けていないのです。
彼はまだスパイの世界のルールや危険性に慣れていない部分もありますが、長年のジェームズ・ボンドファンなら、私たちが知っている彼の特徴をきっと見つけることができるでしょう。また、世界中を旅したり、ガジェットや乗り物を使ったりするなど、「007」シリーズのファンタジーを満たす要素も盛り込みました。
――レニー・クラヴィッツ氏がジェームズ・ボンドの敵役として本作に出演しますが、なぜ同氏を起用したのでしょうか。
Deschamps氏:
レニー・クラヴィッツ氏が演じるバウマは、『007 First Light』に登場する人物の中でも、もっとも魅力的で予測不可能なキャラクターのひとりです。バウマはモーリタニアに拠点を置く、西半球全域で活動する強力な闇武器ネットワークのリーダーとして登場します。レニー・クラヴィッツは、この役に信じられないほどの重厚さとカリスマ性をもたらしました。初めて彼と話した時から、私たちは彼がバウマという人物を理解していることを確信しました。単なる威勢の良さや存在感だけでなく、その奥に潜む苦しみや過去をも理解していたのです。
また、本作にはもちろんシリーズでお馴染みの人気キャラクターも登場します。MやQといったキャラクターは映画と同じ役割を担いますが、独自の解釈が加えられています。本作をジェームズ・ボンドのオリジンを描くストーリーにすることで、彼が初めて出会うこれらのキャラクターをあらためて紹介することが可能になりました・・・
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