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2026.01.22業界情報

国産自由ローグライクRPG『Elin』開発者インタビュー。『Elin』は『Elona』の種が20年越しで実ったゲームで、みんなの存在が「ずっとアプデ」を可能にする

※こちらはAUTOMATON様によるインタビュー記事を転載させていただいたものとなります

Steamにて2024年11月に早期アクセス配信開始され、高い評価を得ているローグライク・オープンワールドサンドボックスRPG『Elin』。本作の開発者noa氏は、『Elona』を手がけたことでも知られる人物だ。

『Elin』では1年以上にわたる早期アクセスのなかで、多種多様な要素がアップデートで追加されコミュニティを賑わしてきた。実際のところどのように売れて、どんな風に盛り上がっているのか。開発方針も含めて、noa氏に話を伺った。



──自己紹介をお願いします。

noa氏:
個人でゲームを開発しているnoaです。Lafrontierというスタジオ名義で、かれこれ20数年ほどゲーム開発に携わっています。『Elin』以前は、『Elona』や『Elona Shooter』といったフリーゲームを作っていました。

昔から、緻密な世界観を持ったエピック・ファンタジーやSFに目がなく、アニメやゲームはもちろん、本もよく手に取ります。以前はD&D系の小説はゲーム色が強そうで少し敬遠していたのですが、昨年は『ドラゴンランス』シリーズにどっぷりはまってしまい、何度も読み返してはレイストリンのかわいさに悶え苦しみつつ、永遠に出そうにない『氷と炎の歌』や『キングキラー・クロニクル』の最新作を待ち続けています。実はElinにも、これらの作品へのオマージュがいろいろと散りばめられています。

ゲーム開発の他に、趣味でも物語や台本を書いたり、音楽や動画の製作、AIやプログラミング言語をいじったりと、創作全般が好きです。

──改めて『Elin』についてご紹介お願いできますか。

noa氏:
『Elin』はオープンワールドなやりこみ系ローグライク冒険生活&拠点運営ゲームです。前作『Elona』で好評だった部分を残しつつ、より自由でカオスな方向へと進化しています。

一言で言えば、「作者の偏執的な情熱によって、一生かけて作られていくタイプのゲーム」でしょうか。昨年だけでも200以上のアップデートがリリースされ、コンテンツが日々増え続けています。広大な世界に飛び込んで、ランダムに生まれる物語や混沌を楽しむゲームといえるかもしれません。

ランダム生成主体のゲームには珍しく、世界設定やストーリー表現に力が注がれているのも、本作の特徴の一つです。個性豊かなNPCや神々が登場し、プレイヤーの拠点を舞台に、ファンタジー感あふれるほっこりホームクエストが冒険を彩ります。日本のサブカルチャーと硬派なローグライクが融合した独特の雰囲気、かわいい萌え要素も、もちろん健在です。

また、本作ではMod機能も導入され、ワークショップでは既に1500件近くのModが公開されています。

──早期アクセス配信から1年が経過しました。セールスの調子はいかがでしょうか。

noa氏:
販売本数は、早期アクセス開始直後の2024年が約20万本、昨年が約15万本、合計でおよそ35万本ほどとなっています。

──そんなに売れているんですね。

noa氏:
もともと『Elin』は、発売時のインパクトというより、アップデートを重ねながらじわじわとプレイヤーが増えていくタイプのゲームを想定していました。そのため、宣伝なども特に行っておらず、初動の販売数は驚きでした。Kickstarterでのクラウドファンドで広く知ってもらえたのと、熱心な『Elona』プレイヤーが多かったというのが大きかったと思います。

発売直後の勢いが落ち着いた昨年も、販売数は月毎に大きく変わらず安定していました。本来目指していた「継続的なプレイヤー数の増加」という点においては、こちらの方がより重要だと感じています。

いつになるか分かりませんが、「100万人の妹!」(※妹=プレイヤー)というのを、ひそかに目標に掲げています。商業的な意味より、憧れに近い感覚ですね。ファミコン時代からゲームに救われてきた者なので、昔夢中になったタイトルと『Elin』がSteamで同じ画面に並んでいたり、少しでも同じ土俵に近づけるのを、何よりも光栄に感じてしまいます。そして、やはり自分のゲームを一人でも多くの方に遊んでもらえたら嬉しい、というのがあります。

──国別売上を教えてください。

noa氏:
これまでの累計売上の内訳は、日本が35%、米国が24%、中国が16%、次いで大きく下がってカナダの3%となっています。一方、直近の月の販売数を見ると、米国が33%、中国が16%、日本が15%となっており、欧米での売上が上昇してきています。

前作の『Elona』は海外にコアなプレイヤーが多かったので、今作も世界中のたくさんの国々で遊んでもらえればと思っています。まだ公式で対応している言語が少ないという点もあり、現在は、欧米にターゲットを絞ったPR動画を製作・公開し、プロモーションを行っています。



──欧米でも人気があるのはそういう理由なんですね。ゲームのどのような要素が、今の数字につながっていると思いますか。

noa氏:
前作のファンベースがあったことを筆頭に、サバイバルやクラフト、拠点運営といった人気の要素を取り込んだこと、ドット絵の親しみやすさなどが、数字の上では一番大きいと思います。

そのうえで、「長く付き合えそうなゲーム」と受け取ってもらえている感触もあります。プレイ時間的な意味だけではなく、今はプレイしていなくても、たまたま流れてきたイラストや小ネタで冒険を思い出したり、妙なアップデートの噂にクスッとしたり、「またそのうち」と心の隅に置いてもらえるようなプレイヤーとの関係ですね。

最近創刊した「エリンだより(『Elin』の月間記事)」も、「この世界は今日もちゃんと息をしているよ(いつでも戻ってきてね。ね!)」と伝えるための、小さな灯りのようなものを目指しています。

こういったアプローチが数字に直結していると断言するのは難しいですが、長くElinと付き合ってもらえるような試みは継続していくつもりです。

少し背景の話をすると、私は「終わらない物語」や「続いていく世界」が好きで、今作でもイルヴァという世界をひたすら拡張し続けてみたいと思っています。地球のどこかで妹がどんどん増殖していって、その先にどんな景色が待っているのか、見てみたいですよね…?

実は前作『Elona』も同じような心構えでのぞみ、その時は何も変わった景色は見られず、半ば失意のまま開発を断念した経緯があります。「景色が見えなかった」というのは、当時はSNSも盛んではなく、ファンアートなんてほとんどなかったですし、フィードバックも一年に何通かという状態だったからです。ただ虚しく無料ゲームの開発に時間を費やしている、という感覚ばかりがつのっていました。

あれから20年近く、『Elona』で蒔かれた種は枯れずに残っていて、『Elin』の代になって芽を出したのだと思っています。

数字の上では、「前作のファンベースがあった」「IPとして育っていた」みたいに説明できるかもしれません。ただ、私の実感としては、そこにあったのは商業的な成功というよりも、古の妹たちと再会できたというかなり個人的なドラマで、今も『Elin』を作り続けるモチベーションの柱となっています。

案外、そういう市場性からは少し外れた動機や物語のようなものが、インディーゲームらしさや作品の独自性となり、数字にもつながっていくのかもしれません。

…とはいえ、正直なところ確証はありません(笑) ですので、これからElinがどうなっていくのか、数字も含めて注目して頂ければ幸いです・・・

続きはこちら『AUTOMATON』 国内外を問わず、さまざまなゲームの情報を発信するWEBメディア
https://automaton-media.com/articles/interviewsjp/roguelike-rpg-elin-20260108-401356/

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