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2025.12.12業界情報

中堅ゲーム開発会社は、どういうスタッフがいて、どういう悩みがあるのか?またどういう採用をする?設立35年コツコツ、大阪ゲーム会社オーツーに訊いた

※こちらはAUTOMATON様によるインタビュー記事を転載させていただいたものとなります

関西のゲーム開発会社に、企業文化や特色などを訊く本連載。今回は、大阪で長年受託というかたちでゲーム開発の携わっている株式会社オーツーに話を伺った。同社は企画からデザイン、プログラムまで、一括でひとつのゲームをかたちにする力をもつ受託会社だ。

様々な受託タイトルを開発しており、幅広いジャンルの中でも存在感のある作品の開発に携わっている。従業員数は2025年時点で167名。規模感的にも中規模である。老舗かつ中規模受託会社である同社は、どのような会社で、どんな基準で人材採用をおこなっているのか。担当者に訊いた。

設立35年を迎えるゲーム受託開発の老舗オーツー



――皆さんの自己紹介をお願いします。

越田健一(以下、越田)氏:
コンシューマー部署を管理している越田健一と申します。プログラマーとしていろいろな受託案件のプログラムに携わらせていただき、自社ブランドであるpeakvoxを立ち上げた以降は、自社ブランドのタイトルも開発しています。元からゲーム制作が好きなのですが、今は業務でゲーム制作をすることがほぼなくなってしまったので、帰ってからプライベートで大体お酒を飲みながら、夜な夜なプログラムをしております。



金山左近(以下、金山)氏:
プランナーをやっている金山左近と申します。アシスタントマネージャーも務めておりまして、現在はプランナー関連の管理であったり各プロジェクト間のアサインであったり、あるいは僕自身もプロジェクトに入って仕様を書いたりと、いろいろなことをやっています。



山頬裕之(以下、山頬)氏:
デザイナーでアシスタントマネージャーの山頬裕之と申します。業務では主に背景モデリングを担当しています。peakvoxブランドではグラフィック制作に加えて企画・ディレクションやサウンド制作を手掛けております。



山下忠範(以下、山下)氏:
人事部課長の山下忠範です。オーツーには2022年に入社いたしましたが、それ以前はほかのゲーム会社や医療業界など、いろいろなところの人事を経験してきました。新卒採用では説明会や選考の管理を、中途採用ではいろいろなエージェントさんとの窓口などを担当しております。



――まず、オーツーとはどういった会社なのでしょうか。

越田氏:
大阪市を拠点にゲーム開発をしている、設立35年になる会社です。受託開発を柱にして、さまざまなジャンルのゲームを開発してきています。社内にはプランナー、グラフィックデザイナー、プログラマーにサーバーエンジニアと、一通りの人員がいるため弊社での一括開発も可能です。受託開発以外にも、前述したようにpeakvoxという自社ブランドも立ち上げておりまして、オリジナルタイトルの開発にも力を入れている会社です。

――オーツーにどんな部署があるのでしょうか。

越田氏:
制作関係では、我々が所属している家庭用ゲーム機向けとSteamなどのPC向けゲームを開発しているコンシューマー部署があります。古くはアセンブラからC++、C#、Unity、Unreal Engineなど、さまざまな言語や環境でゲーム開発をおこなっています。2つ目はモバイルゲームを中心に開発している部署です。こちらは開発から運営まで一貫しておこなっています。あとは運営のみの受託もおこなっているパターンもありますね。

3つ目はシナリオライターとイラストレーターが多数在籍している部署です。こちらは文化財を修復した経験があったりアッカド語が読めたり、元々似顔絵師だったり、多様な人材がそろっている部署ですね。さらにwebチームもございまして、弊社やpeakvoxのサイトだけではなく、さまざまな会社さまのwebサイトを作成しております。あと、制作以外では管理部、人事部といったかたちです。

――設立から35年経つとのことですが、設立当時からゲームの受託をされていたのでしょうか。

山頬氏:
弊社はもともとデザイナーだけの会社で、グラフィックの請負のみをしていたんです。ゲーム制作では主に”ギャルゲー”の一枚絵など、ビジュアル部分のみを制作しておりました。あと別業種として、Webデザインの制作を請け負っていました。その後、越田達が入社してきまして。その当時はプログラマーとかプランナーが入社すると聞いて戦々恐々としていたんです。どんな怖いやつが来るんだろうかと。

一同:
(笑)

山頬氏:
まぁ実際は気のいい人ばかりだったんですが。(笑)そうしてビジュアルのみ手掛ける会社から一転、ゲーム開発を何でも一通りできる会社になって、ありがたいことにさらにいろいろなゲームに関わらせていただくことになりました。

――オーツーが現在のかたちになるまでに大変なこともあったと思いますが、事業を広めるきっかけになったゲームなどはありますか。

越田氏:
大型アクションレースゲームに関わらせていただいたタイミングですね。人員も増えましたし、スタッフの経験値もぐんと上がりましたので。あと、2008年にpeakvoxの初タイトルをリリースしたんですけど、やっぱりそのタイミングから受託だけではなく、トレンドを見ながら自分たちで何かを作っていこうという意識が芽生えてきましたね。

――現在のオーツーはどんな会社と説明されてますか。

山下氏:
関わることができるタイトルに関しては、いろいろな会社さんからの受託に左右されるので未知数ではありますが、開発スタイル自体は、比較的アナログなコミュニケーションを大切にしつつ、のびのびと開発できる環境だと思っています。良くも悪くも小規模な、200人に満たない会社なので、新卒採用も杓子定規ではなくて、個人の成長具合に応じて研修期間を延ばしたり縮めたりと、マンツーマンでしっかりも研修ができる仕組みもあるので、ゲーム業界1社目の会社としてはかなりおすすめしたいと伝えています。

金山氏:
プランナーとしては、オーツーはプログラマー、デザイナー、プランナーと各業種がそろっておりますので、ワンストップでひとつのものを作れることを推しています。あと、新卒の方はよくオリジナル作品を作りたいという方がやはり多くて、弊社はたしかに受託メインではありますが、そういった方にもpeakvoxという自社レーベルがあるので、オリジナル作品を作る環境もあるということはアピールしています。

――最近、プランナー志望の方はレベルデザイナー志望が多いという話を聞きますが、御社もそうでしょうか。

金山氏:
弊社は、コンシューマーとスマートフォンアプリのセクションに大きく分かれていますが、現在の市場の関係もあって、運営系のスマートフォンアプリを経験された方が多く、それでレベルデザインが多いかなという印象がありますね。

――オーツーとしての直近の事例はどういったものがありますか。

越田氏:
さまざまなゲーム開発をお任せいただいておりまして、企画書からゲーム開発まで請け負ったり、各タイトルの移植やリメイクをしたりといったご相談もあります。どのパートの受託が多いというのはなく、満遍なくお任せいただいておりますね。スマートフォン向けの案件では、開発だけではなく運営に関する受託もあり、10年以上運営を継続させていただいているタイトルもございます。



――受託案件はどういったかたちでスタートすることが多いのでしょうか。

越田氏:
やはり立ち上げからご協力させていただくことが多いです。企画書ができましたのでちょっとどうですか、ご意見ください、工数はどれくらいかかりそうですか、といったかたちで。そもそもできそうですかといったところからのご相談をいただくこともありますね。立ち上げから関わる以外だと、ゲームのこの部分だけ、このゲームモードだけというご相談もあります。

――直近1年でどれくらいの案件があったのでしょうか。

越田氏:
弊社はシナリオ部門もあるので、シナリオのここの部分だけというものも1案件として考えるとかなりの数になりますね。あと、2Dイラストのお仕事だけという案件もあります。

――それだけいろいろな案件に関わっているオーツーが、受託会社として評価を受けている部分はどこなんでしょうか。

山頬氏:
やっぱりオーツーだけで何でもできることかなと。シナリオ案件でもモバイルでも、相談をいただいたらお応えできる体制があるので、その辺りが強みで、評価いただいている部分なのかもしれません。

越田氏:
あとは案件をお任せいただいたら、きっちりと最後まで仕上げてリリースできるところまでもっていくことを最優先に考えております。それをちゃんとできているということが次に繋がっているのかなと思います。

オーツーの採用観



――オーツーに所属している方々の職種は、どういった割合なんでしょうか。

山下氏:
毎年組織構成を見ていますが、プログラマー、デザイナー、プランナーがほぼ均等に所属していまして、全社員160人くらいのうち30%ずつくらいですね。あとはシナリオライターが5~6%、人事や管理が5~6%くらいという感じです。

山頬氏:
今はプランナーの人材に来てほしいですね。

金山氏:
プランナーはモバイルゲーム部署には多くて、コンシューマー部署ではだいぶ少ない状態なので、コンシューマー部署にぜひ来てほしいですね。特に手掛けているタイトルの関係上、野球に詳しい方だと非常にありがたいです・・・

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