ゲームのキャラや背景など、あらゆるものをデザインするデザイナー職。
プログラマーに並び、ゲーム業界の花形ともいえる職種ですが、デザイナーになるためにはどのようにすればよいのでしょうか?
この記事では、デザイナーに就職するために知っておきたいポートフォリオの作り方や必要なスキル・資格などを詳しく解説します。
<目次>
(1) デザイナーとは?仕事内容や年収・他の職種との違いについても解説!
(2) 必見!デザイナーに応募する前に知っておきたいポートフォリオの作成方法
(3) 【採用アドバイザー伝授】デザイナーに向いている人の4つの特徴
(4) 未経験からでも目指せる!デザイナーになるために必要な資格やスキルとは
(1) デザイナーとは?仕事内容や年収・他の職種との違いについても解説!
そもそもデザイナーとはどのような職種なのでしょうか?
まずは、ゲーム業界におけるデザイナー職の仕事内容や年収・他の職種との違いについて解説します。
◆デザイナーの仕事内容・役割
「デザイナー」は文字通り、ゲーム内のキャラクターや背景などのイラストを描くクリエイティブ職のことを指します。
似た職種に「ゲームデザイナー」というものがありますが、これはゲームのストーリーやシステムそのものを企画・設定する人のことであり、「ゲームプランナー」とほぼ同義語です。
この記事ではイラスト制作を行うクリエイティブ職としての「デザイナー」について紹介します。
※ゲームプランナーに関する記事はこちら→
【ゲームプランナー志望必見!企画書を書くための6つのステップを解説】
◆デザイナーの現状と将来性
ゲーム業界全体は成長傾向にあり、今後も順調に伸びていく業界であるといえるでしょう。
しかし、近年は家庭用ゲーム機に代表されるコンシューマーゲームからスマートフォン向けのソーシャルゲームへと市場がシフトしており、ソーシャルゲームの需要が今後も増えていくと予想されます。
常に新しい技術やトレンドが求められるため、時代のニーズを把握し積極的に最新トレンドを取り入れて業務ができれば、長くゲーム業界のデザイナーとして活躍できるでしょう。
◆デザイナーの年収
厚生労働省が発表している令和2年度賃金構造基本統計調査によると、デザイナーの平均年収は461万円ほどとされています。
全国の平均給与とほぼ同じ水準ですが、ゲーム業界は実力主義の側面が強いため、実績のあるなしで年収が大きく変わる業界だといえます。
また、ゲーム会社の規模によって年収が大幅に変化するのもひとつの特徴です。
有名タイトルを手掛ける大手のゲーム会社では、給与が高く福利厚生も充実している傾向にあります。
しかし、近年ではスマートフォン向けのゲームの需要が高まっており、ソーシャルゲームを手掛けるゲーム会社ではより高い年収を見込むことも可能です。
◆他のゲーム業界の職種との違い
「デザイナー」によく似た職種として「ゲームデザイナー」というものがありますが、これは「ゲームプランナー」と同じ意味で使われる言葉で、主にゲーム作品の世界観・ストーリーといったおおもとの部分から企画・設計する仕事を担います。
「ゲームプランナー」の仕事や就職するために知っておきたいポイントについてはこちらをご覧ください。
また、「デザイナー」と同じクリエイティブ職である「プログラマー」は、ゲームの開発環境やゲーム内の動作をプログラムによって構築する職種です。
Unityのようなゲーム開発用のプラットフォームを用いて、C#やC++といったプログラミング言語を駆使しゲームを開発します。
「プログラマー」について詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひご覧ください。
(2) 必見!デザイナーに応募する前に知っておきたいポートフォリオの作成方法
デザイナーとして就職するためには、自身の作品をまとめたポートフォリオを提出する必要があります。
ここでは、ポートフォリオ作成の際に知っておきたいポイントについて詳しくみていきましょう。
◆ゲーム会社はポートフォリオのどこを見ている?
●(1) デッサン力
デザイナーに就職するなら、ゲームキャラクターや背景などのイラストをデザインするデッサン力は必須です。
未経験でも、デッサンが得意であれば即戦力として活躍することができます。
プランナーが作った企画書・仕様書のアイデアを具現化するためのデッサン力は、デザイナーに就職するうえで欠かせないスキルでしょう。
●(2) 対応できるジャンルの広さ
デザイナーに就職したら、さまざまなゲームジャンルに対応したイラストを描く必要があります。
キッズ向け、女性向け、男性向け...といったように、対応できるジャンルが多いかどうかを採用担当者の方は確認しているのです。
●(3) 作品の制作時間
作品を完成させるまでの時間も、デザイナーとして働くためには重要な要素となります。
どんなにクオリティの高い作品が作れても、その制作時間が長すぎると実際に業務として活躍することは難しいでしょう。
逆に言えば、提出したポートフォリオのクオリティが高く、かつ短い期間で作られたものであれば、会社に好印象を持ってもらえる可能性が高くなります。
●(4) 得意なジャンル
先ほど「対応できるジャンルが多いほど有利」という話をしましたが、「特にどのジャンルが得意か?」も大きなアピールポイントとなります。
複数のポートフォリオを提出できないという場合は、自分が最も得意とするジャンルで勝負しましょう。
突出したジャンルがあれば、デザイナーになった後もその分野で活躍することが可能です。
◆一般的なポートフォリオの構成
●目次
PDFファイルや紙に印刷してポートフォリオを提出する必要がある場合は、目次を必ず冒頭につけましょう。
採用担当者の方は多くのポートフォリオに目を通すため、じっくり内容をみて判断する時間がありません。
目次があると内容を概観することができ、必要なことが書かれているかすぐに確認できるため、採用担当の方によい印象を持ってもらえるでしょう。
●自己紹介
目次の次のページには、自己紹介を簡潔に記載しましょう。
「名前」「生年月日」「所属大学」「顔写真」といった基本的な情報に加え、「所持しているスキル・資格」や「経歴」「使用ツール」を記載してアピールします。
自分の強みや得意とすることもアピールできるとなお効果的でしょう。
●実績
自己紹介の次に、今まで自分が制作してきた作品を掲載します。
イラストや写真といった作品に加え、「タイトル」「制作時間」「力を入れたポイント」「作品制作による成果」などを添えて存分にアピールしましょう。
●連絡先
最後に、自身が持っているWebサイトやSNSのリンクを記載します。
WebサイトやSNSの内容が選考に影響する可能性もあるため、発信内容には十分注意しましょう。
◆ポートフォリオを作る際に気をつけること
●著作権を侵害していないか
一からすべて自分で制作した作品に関してはあまり注意する必要はありませんが、以前所属していた団体や会社で制作した作品については、著作権や守秘義務にふれていないか確認しましょう。
自分が携わった作品でも、著作権は所属団体・会社にある場合がほとんどのため、ポートフォリオとして掲載する場合は著作権侵害や守秘義務違反にあたらないか注意してください。
共同制作をした作品の場合は、自分が担当した箇所や一緒に制作した相手を明確に記載しましょう。
●シンプルで端的な文章にする
自己紹介や作品のアピールポイントなどのポートフォリオ内の文章は、シンプルで端的に記載するようにしましょう。
初対面の人にも伝わるような自己紹介、作品制作時のこだわりやエピソードなどをできるだけ具体的かつ簡潔に書く必要があります。
●使用可能なソフトや今後の展望を記載する
制作ツールは日々新しくなっていくため、自分が使用できるのはどのソフトなのかを記載することは非常に重要です。
選考を受けている会社で使用している制作ツールを使用できるのであれば、入社後に即戦力として働くことができます。
また、今後どのようなキャリアを描いていきたいのかといった展望を記載することで、デザイナーとして働くモチベーションをアピールすることにもつながるでしょう。
(3) 【採用アドバイザー伝授】デザイナーに向いている人の4つの特徴
デザイナーとして働くためには、どのような特徴を持っている人が向いているのでしょうか?
次に、デザイナーに向いている人の特徴について詳しく解説します。
◆【特徴1】たくさんのゲームにふれている
ゲーム業界で働くうえで、「ゲーム好きでたくさんのゲームにふれている」ということは必須の条件だといえるでしょう。
好きなことを仕事にすることが、新しいゲームを生み出していくためのモチベーションになります。
たくさんのゲームにふれてきたその経験と熱い思いは、デザイナーに限らずゲーム業界で働くために欠かせない特徴のひとつです。
◆【特徴2】流行やトレンドに敏感
ゲーム業界は変化が激しく、日々新しい技術が導入されています。
そのためトレンドの移り変わりが早く、常に最新情報をキャッチして吸収していく姿勢が求められる業界です。
過去のやり方や成功体験にとらわれず、変化をおそれずに新たな知識を得たりチャレンジしたりするタイプの人は、デザイナーの仕事に向いているといえるでしょう。
◆【特徴3】コミュニケーションが得意
デザイナーはプログラマーと同じく、プランナーが企画したゲーム内容を具現化していくクリエイティブ職です。
制作の際には、プランナーの方と綿密にコミュニケーションをとりながら企画書や仕様書の内容を共有する必要があります。
滞りなく制作を進めていくためにも、コミュニケーションが得意であることは非常に重要です。
◆【特徴4】体力に自信がある
ゲーム業界は、時期によっては多忙になり労働時間が長くなることもあります。
発売日や納期が決まっているためそれに間に合うように仕事を進めていく必要があるうえ、開発途中で生まれたバグや改善点にも迅速に対応しなければいけません。
緊急の対応で残業や休日出勤を余儀なくされることもあるため、ある程度の体力が要求される仕事であるといえるでしょう。
そのような点を考慮すると、体力に自信がある人はデザイナー職に向いているといえます。
(4) 未経験からでも目指せる!デザイナーになるために必要な資格やスキルとは
デザイナーになるためには具体的にどのような資格やスキルが必要となるのでしょうか?
最後に、未経験からデザイナーを目指す際に知っておきたい、選考で有利になる資格・スキルについてみていきましょう。
◆資格
デザイナー職に就くにあたって必須となる資格はありません。
しかし、デザインに関する資格を取得していれば、自身のデザイン能力をアピールすることができるうえに、制作を進めるうえで役に立つでしょう。
まずは、取得しておくと有利になるデザイン関係の資格を4つご紹介します。
●CGクリエイター検定
主にキャラクターデザインなどを行う際に役に立つ資格です。
2DCGや3DCGといった、デザイナーとして必須の知識や実力を試すことができます。
CGクリエイター検定には「ベーシック」と「エキスパート」の2種類に分かれており、ベーシックは応用問題が少なく合格率も高めですが、エキスパートはより深い知識・技能を必要とし、数か月かけて対策することが必須です。
特に未経験からデザイナーを目指す場合は、自分の実力をアピールすることができるため、受験してみる価値は十分にあるでしょう。
●Photoshopクリエイター能力認定試験 / Illustratorクリエイター能力認定試験
デザインをする際に使用するAdobe社のソフト「Photoshop」と「Illustrator」を扱う知識・スキルが問われる試験です。
これらのソフトを実際に使用し、1つのコンテンツを時間内に制作するという実践的な試験内容になっているため、合格することで直接仕事に活かすことができます。
また、それぞれ「スタンダード」と「エキスパート」の2級種の試験が用意されており、自分のスキルレベルに合わせた試験を受けることが可能です。
●色彩検定
デザインに必須の色彩設計の技術を問われる検定試験です。
直接デザインスキルを習得できるわけではありませんが、配色の技術やその他色彩に関する幅広い知識を学ぶことができるため、デザインにも大いに役に立つ資格だといえるでしょう。
「1級」「2級」「3級」に検定レベルが分かれており、各々のレベルや仕事で問われるスキルに応じて受験することができます。
●基本情報技術者
IT技術者を目指す人向けの、ITの基本的知識が問われる資格です。
どちらかといえばプログラマーのための資格だといえますが、デザイナーはプログラマーと二人三脚でゲームを開発していくため、開発段階では綿密なコミュニケーションが求められます。
そのため、IT全般の知識を持っていることで円滑に業務を進めることができるでしょう。
また、この上位の資格として「応用情報技術者」というものもあり、より高度なIT技術・知識を試したい場合におすすめです。
◆スキル
では、どのようなスキル・資質を持っている人がデザイナーに向いているのでしょうか?
デザイナーになるために必要なスキルを3つ紹介します。
●デッサン力
デザイナーの仕事では、現実にはない架空のものを表現する機会もしばしばあります。
ゲームのコンセプトやストーリーからイメージを膨らませる想像力と、それをイメージ通りに再現するデッサン力が求められるのです。
特に最近では3D映像を駆使したゲームが増えており、CGデザインによる高い表現力が今後ますます必要になるでしょう。
このようなデッサン力を学ぶには、独学でも習得はできますが、ゲーム専門学校のデザインコースなどで専門的に学ぶことをおすすめします。
効率的にデザインの基本知識・技術を学ぶことができるうえに、ゲーム関連の会社からの求人が多く集まるため、就職においても有利です。
●コミュニケーション能力
デザイナーは、プランナーから提示された企画書や仕様書をもとに、プログラマーとともにゲームの開発・制作をしていく職種です。
そのため、ゲームのコンセプトや方向性に齟齬が出ないよう、プランナーやプログラマーとコミュニケーションをとりながら業務を進めていく必要があります。
また、他の職種の専門知識についてある程度知っていれば、円滑なコミュニケーションができてスムーズに仕事を進めることができるでしょう。
●プレゼン力
上で述べたように、デザイナーは他の職種の人たちとコミュニケーションをとりながら仕事を進めることが必須ですが、デザイナー側からも意見・提案することも重要です。
指示されたことをこなすだけでなく、「ゲームを面白くするためにどうすればよいか?」という視点を常に持ち、制作途中でも新たな提案をプレゼンできるデザイナーを目指しましょう。
いかがでしたか?
デザイナーになるためには、基本となるデッサン力はもちろん、それ以外のコミュニケーション力やIT全般の知識を身につけ、ポートフォリオや面接で十分にアピールする必要があります。
この記事を読んで、未経験からでもデザイナー職への就職を目指してみてくださいね。
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