ゲーム業界はもちろん「ゲームに関連するビジネス社会」のことを指しますが、具体的にどのような職種や業務内容があるのでしょうか?
ゲーム業界への志望動機を明らかにするためにも、まずは業界研究をして基本的な知識を身に着けることから始めましょう。
◆ゲーム業界の基本情報
ゲーム情報総合メディア「ファミ通」が行った調査によると、2021年度の国内家庭用ゲームの市場規模は3兆6139億円となっており、業界全体の規模自体はそれほど大きくありません。
しかし、業績や市場規模が現在右肩上がりで推移していることから、ゲーム業界は成長産業であるといえます。
実際、ゲームメーカー各社の2021年度の決算発表によると、コロナ禍での巣篭もり需要の増加によって多くの会社が利益を伸ばしています(
「ファミ通」の調査より)。
ただ、変動の激しい業界であるため、浮き沈みが大きく先行きが不透明である点には十分に留意しておく必要があるでしょう。
ゲーム業界における平均収入は400〜600万円ほどと言われていますが、職種によって収入は大きく異なっており、また管理職に昇格したりスキルアップによって仕事内容の幅が広がったりすることで1000万円ほどの収入を稼ぐことも可能です。
一方、平均の継続年数は4年と比較的短い傾向にあるため、ゲーム業界を志望する場合は会社選びに注意して就職活動を進めるとよいでしょう。
◆ゲーム業界の職種
●プランナー
プランナーは、どのようなゲームの制作をするのか企画し、完成までのスケジュールを立てる仕事をします。
近年のプランナーの役割は多様化してきており、企画立案のみならず、ゲーム制作の指揮や制作後の集計・分析・改善まで行う重要な職種といえるでしょう。
●プログラマー
プログラマーは、立案されたゲームの企画をプログラミングによって具現化していく仕事になります。
ゲーム制作の中心となる職種であり、ゲームが動作する基盤を作るため、非常に重要な役割を担っているといえるでしょう。
●デザイナー
デザイナーは、ゲームに登場するキャラクターやアイテム・背景・タイトルなどをデザインする仕事をします。
グラフィックデザイナーとも呼ばれ、それぞれの得意なポジションに分かれて分業化されるのが一般的です。
●サウンドクリエイター
サウンドクリエイターは、ゲームで使用されるBGMや効果音などを制作する仕事を行います。
このようなBGMや効果音はゲームの雰囲気や印象を大きく左右するため、ゲーム制作において必要不可欠な職種だといえるでしょう。
●シナリオライター
シナリオライターは、ゲーム全体の物語を考える仕事をします。
ストーリーはゲームの面白さや人気度に直結する要因であるため、責任の大きい職種であるとともに、非常にやりがいのある仕事だといえます。
●ローカライザー
ローカライザーは、ゲームで使われている言語を別の言語に翻訳する仕事を行います。
翻訳する言語に精通していることはもちろん、販売する海外の国の文化や習慣などに注意して翻訳することが必要です。
よって、ただ翻訳するだけではなく、その国独自の文化やタブー・ジョークなどを理解し、海外ユーザーが不快にならないように翻訳作業をしていくことが求められます。
●デバッカー
デバッカーは、完成したゲームをプレイしてバグが発生しないかどうか確認する仕事を行います。
ユーザー目線に立ち、あらゆるパターンを入念にチェックしてバグが起こらないか確認していくため、単純作業が多いですが、ユーザーの満足度につながる非常に重要な職種です。
●マーケター・データアナリスト
ゲームをより多く売るための戦略を考えるマーケター・データアナリストの仕事もあります。
プランナーと協力して市場調査や分析を行い、ゲームの制作段階から関わっていくケースが多いです。
そして、開発されたゲームをいかに多く届け、売れ続けるための仕組みを構築するかを考え、施策を打ち出していきます。
マーケティングやデータ分析のノウハウはもちろん、ゲーム開発に関する知識も求められる職種だといえるでしょう。
●その他
上記であげた職種以外でもゲーム業界で働くことができます。
ゲーム業界においても、自社の商品をいかに魅力的に売り込むかを考える営業職は非常に重要なポジションだといえるでしょう。
またその他のバックオフィス業務として、著作権や法的トラブルに対処するための法務の仕事や、給料計算や収入の管理を行う経理の仕事などさまざまな職種があります。