2018.07.18業界情報
中国で異例の大ヒットを記録した『旅かえる』は、Unity Adsと共に広告+課金の最適化を果たした。その成功の経緯と収益構造に迫る(後編)
前編の講演取材では、広告+課金の収益モデルを採用しながらも、ただ見守るだけでよい穏やかなゲームデザインから“仏系ゲーム”としてユーザーに受け入れられた『旅かえる』の運営手法や、SNSで拡散してもらうための工夫、中国での成功から得られた学びについて、Unite Tokyo 2018の講演内容を踏まえて紹介した。
後半となる本稿では講演のフォローアップとして、『旅かえる』を開発した株式会社ヒットポイントのプロジェクトマネージャー高崎豊氏と、マネタイズ面で『旅かえる』の成功をサポートしたUnity Technologies JapanのUnity Adsディレクター金田一確氏の二人に、それぞれ別に話を伺った。
拡散してもらうための工夫
――高崎様は『ねこあつめ』と『旅かえる』、両方のプロジェクトマネージャーを担当していらっしゃるのですよね。
高崎氏:
そうですね、両作とも同じチームでつくっていて、『ねこあつめ』のときは僕とデザイナーの2人、『たびかえる』は4人でやっています。
――もともとは2人チームとして始まったのですね。
高崎氏:
そうです、『ねこあつめ』のときは僕がプログラマー兼プランナー、あとディレクターを担当しました。『旅かえる』ではほぼディレクターといいますか、とにかく上から文句だけ言う立場でやっています。
――チームの総指揮というイメージでしょうか。
高崎氏:
はい、そうした感じでやらせてもらっています。
――『ねこあつめ』はねこが「来る」のを楽しむゲームだったのに対し、『旅かえる』は「行く」「帰る」の両方を楽しめるという、『ねこあつめ』のゲームシステムの進化系であるように思っております。実際に『ねこあつめ』のノウハウが活かされた部分というのはあったのでしょうか。
高崎氏:
もともと『ねこあつめ』に代わる、というわけではないのですが、『ねこあつめ』に継ぐゲームをもう一個つくっていきたいなと思って企画をスタートさせました。『ねこあつめ』をモデルケースにしてつくってはいましたので、いろいろ引き継いでいる部分はあります。
一番わかりやすいところで言えば、ユーザーさんがSNSに画像を投稿しやすい環境にするということでしょう。『ねこあつめ』のときはねこの写真を撮って、それをアップする。画像なので言葉を入れる必要がありません。SNSに投稿したら世界中の人が見れるんですけれど、そのとき言葉では伝わらなくても画像なら伝わります。
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